ウソのようなホントの話

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キチンと建設業許可を持ち、ホームページも立派なのだから、きっとしっかりした会社よ!
そんな期待を裏切る住宅会社も中にはいるんですねぇ。

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『マメに打ってますよ~』

ある方が欠陥住宅などが気になり、耐力壁として構造用合板が自分の家でも取り入れられているので、工務店の社長に、『釘はどのように打っていますか』と聞きました。

その人の意図としては、このような釘を、このような間隔で打っていますとか、法律でこのように決められているから、このようにしています・・といった具体的な返事を期待していたようなのですが、返ってきた答えは、

マメに打ってますよ~』というお気楽なご返事。

まぉ、素人相手にギャグ、あるいはしゃれのつもりで言ったのならかわいらしいのですが、どうもそうではなく、とにかくたくさん打たないとダメだ・・という程度の認識だけだったようなのです。

これもよくある返事に、『大丈夫ですよ~』というものがあります。
下の写真。

いやぁ~。チョット力が入り過ぎちゃいました~』

・・・で済めばいいのですが、構造用合板など釘をつかう耐力壁の場合、釘がめり込むほど耐力壁としての強さは減っています。厚みの半分もめり込めば、所定の強さは無くなります。つまり、耐力壁として機能しない・・・・・。

まぁ世の中、
ちゃんとやってね!』
『はい。ちゃんとやりますよ』
で済めばこれほど楽なことはありませんし、ワタシのような仕事など全く必要なくなるのですが、楽しい、お気楽な返事の裏側に、怖~い事実が時々隠れていることを知っておきましょうね。。

『合板張ってりゃ、強いんだろ!!』

2X4工法の場合は、面として耐力壁を作る必要がありますから、最初から構造用合板を外壁に貼っています。しかし、軸組工法では筋交いで耐力壁を作れることから、伝統的に筋交いだけに頼って耐震性を確保している建物もあれば、「モノコック構造だ・・」「2X4工法の良さをミックスした工法だ」といって外壁に構造用合板を貼って筋かいなどの耐力壁と併用する方法があります。(ダイライトやOSB、MDFといった面材も耐力壁として使えます)

そして、意外と誤解が多いのが、「外壁に構造用合板を貼っていれば、それだけで強くなるのだ」という間違った知識のままに施工している建築会社も未だに存在しています。
外壁が強くなるためには、(耐力壁として機能するためには)

  1. N50という規格の釘を使う
  2. 合板の外周全てに150mm間隔で釘を打つ(軸組工法のみ)
  3. 合板を継ぐ場合は受け材が必要の3点を守らなければならないのですが、その全てを知らずに施工している会社もいるのです。

『この建物は、構造用合板を使っているから強いんです』なんて大きく宣伝している会社の中にも、こういう基礎的な知識無しで工事をしている会社もたまに見かけます。

構造用合板を耐力壁として使っている建物では、工事中一度はこの3つのチェックをしておいた方が良いですね。

注:N50の釘かどうかは、釘頭の直径が約6.6mm程度あればよく、4mmとか、5mm程度であれば、N50ではないもっと細い釘が使われている可能性があります。(その場合、所定の強度はまったく出ない)
注:この説明は軸組工法の構造用合板を使う場合の規定です。他の材料では釘間隔が100mm以下となっている材料もあります。また、2X4工法では、合板外周部の釘間隔は必ず100mm以下です。

『つくづく住宅業界っていい加減!!』

まぁ。全てが全てこんな会社ばかりではありませんが、このタイトルは、当サイトのサポートサービスを受けられて、住まいが完成した後にいただいたメールのひと言なのですが、建てられた住宅会社は名の知れた大手です。

「壁紙のほとんどを間違えたり、基礎の化粧モルタルを雨の日に施工してボロボロになったりと最後まで気が休まりませんでした」
「私は機械製造で品質管理の仕事をしているのですが、かなり意識の差があると感じました。私は仕事柄細かいところがあるのかとも思いますが、それにしてもアバウト過ぎるかと・・・」

この方は製造関係の方ですが、そうでなくてもいまどき、『品質管理』なんて言葉は書くまでも無く当たり前のことだと思います。でも、住宅会社で曲がりなりにも『品質管理』と称するものをやっているのは、せいぜい大手の一角だけでしょうね。その代わり住宅の価格は高いです。

たとえば、冬なのに弱いコンクリート(21N/mm2)を平気で打つ会社がありますが、それはもう、『品質管理』なんて言う言葉以前の貧弱な施工レベルだからですね。

特に小さな会社は、そのわずかしかない技術者(設計者や現場監督)の力量に大きく大きく作用されてしまいます。コンクリートの知識もなく、ただ実際に工事をする基礎屋に『いついつまでに基礎を終わらせろ。基礎の工事費は○◎だ!!』という納期と下請けへの発注価格だけが仕事だと思っている現場監督が多いですから、コンクリートの強度は大丈夫が・・・なんてとてもとても気がつきません。
設計者は、図面を書けば終わりで、後は現場監督が適当に建てるさ・・と現場には見向きもしません。
そして後は基礎屋にお任せで、外気温によってコンクリートの打設強度は変えなければならない・・なんて知識も持ち合わせていないし、仮にそういう知識があったとしても、物言えば唇寒しのように、一言余計なことを言ったら、下請けから別途請求されるから言わないでおこう・・なんてヤツもいるかも知れません。

そういう背景が見えてしまうと、悲しいやら、情けない気持ちになるのが、いつも冬には数回は聞く、『21N/mm2のコンクリートで良いのでしょうか』という建築主からの質問です。

建築主に鍛えられる業者

古くからの業者。昔は宮大工をしていた系統とか。これまた、昔からある眉唾物の説明です。そんな業者なので、次世代省エネルギーの断熱って初めてです。

まぁ。そういう小うるさい注文を付ける顧客に当たらなかったことが幸いなのか?不幸なのか?
この業者。次世代仕様の断熱材の施工方法を知りません。

そこで、建築主のカツが入ります!!
『断熱メーカーの出している施工要領書をキチンと読んで施工しろ!!』

今までそんなものを読んだことなどありません。活字嫌いなのではありません。経験が全て思っている浦島太郎的な業者なのです。勉強なんて、親方から教わるもので、紙切れから教わるものではないと思っていました。

断熱材は、次世代用の分厚い防湿シート付きのグラスウールなのですが、ほとんどの業者がサボる正しい施工方法を、ついに完成させました。

Before・・筋交いが防湿シートから出ていますね。正確にはダメ施工です。
after・・・筋交いがきれいに防湿シートの内側に入っています。筋交いがうっすらと右上から左下にかけて写っているのがわかります??

私も現場を訪れたのですが、最初に張った断熱材よりも、次に張ったもの。さらに次に張ったものとどんどん上手に張れていったのがよくわかります。

建築主に鍛えられるって・・すごいことです。
最初はぎごちなかった断熱材の張り方もどんどんうまくなっていくんですね。
なれるなら、そういう建築主になってみるのも一つですよ。業者の顔色ばかり見ないでさ!!

注:この建築主の方も家を建てるのは初めて。断熱材の施工方法を知っていたわけではありません。要は、知らないなら、知らないで、キチンと説明書を確認して、キチンと理解して施工しろ・・という当たり前のことを要求しただけです。

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