こんな土地まで売るのか!

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私が実際に相談を受けたある3つの土地の話です。

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ブロック土留めに建つ家
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高低差1.5m以上はあるのに、コンクリート製のよう壁ではなく、違法なブロック土留め(よう壁専用ブロックではありません)のままの宅地です。これも長年の間にブロック程度では傾いてきますし、地震があればさらに傾きは増すかもしれません。
でも、この状態で建築確認もおりています。審査機関は敷地の安全性の確認をしなければならない法律上の義務があるのですが、完全なスルーです。
デジカメコースを申し込まれた方だったので、すでに住宅の方の工事は着手していて、その間に幾度かブロック土留めの検討書などをもらい、相手は安全であると主張しましたが、結局、審査機関も「安全でない」と認め、全額返金で契約解除となりました。すでに内装工事もおわり、後はクロスを張って、住宅設備を入れる段階まで工事は進んでいました。

急傾斜地に建つ家
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今から数年前に雨漏り等々から内部結露が進み相談を受けた建物を訪れたときのことです。当時すでに築10年程度経った建物ですから、今では10数年前の建物と言うことになります。
図のように、コンクリートで住宅1階分以上の高さをかさ上げをして、まさに傾斜角45度近い崖地に建てられていました。
勿論、構造計算もキチンとされていたのですが、しかし、地震や長雨などで地盤がゆるみ、斜面崩壊すれば、コンクリートの架台などあっという間にずれてしまいます。 構造計算をしたといっても、大地震や長雨で地盤がずれないという保証などどこにもありません。

崖地をコンクリートの架台で宅地を作って、建物を載せて宅地として売り出す。。。
買った人は、コンクリートで作られ、構造計算もしてあるから丈夫と思って買われたのでしょうが、本当に大地震がこのような急激な傾斜地を襲えばどうなるか全くわかりません。
不動産屋にとって、他人相手だから作って売れる。自分が住むなら絶対に敬遠する土地。
そんな気のする土地でした。そして、その住宅の隣では、そんな住宅がまだ数軒横並びで建っていたのです。

よう壁にまたがる建物
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これは2.3年前に、契約サポートサービスで購入相談を受けたときの話です。
当時建物はまだ建っていません。これから着工しようとしていた建物でした。
その建物は、下図のような高低差のある土地によう壁を設け、あろう事か、そのよう壁をまたいで建物を考えているのです。
よう壁ってそもそも動くもので、長さの長いよう壁は20m程度で区切り、仮に地盤が動いても相互に影響しないように作られています。
つまり、地震や雨で地盤は動くため、よう壁自体も、多少動くことが前提なのですが、そんなことお構いなしに、よう壁をまたいで建物を建てる。
大地震や、長雨で地盤がゆるみ、地盤が動いた影響でよう壁が動けば、それにつれて建物も動き、股裂き状態になってしまいます。
危険だと言うことで、行政に相談に行っても、「何か問題ですか~。問題ないと思いますけどねぇ~」という聞く耳すら持たない全く業者寄りの対応。
結局、手付け金を支払っていたのですが、返してもらい、契約を解除されました。

その後、同じような計画で他の方に売ったのかどうかはわかりません。

目をつぶり、何も言わない審査機関

いずれも全く別々の相談なのですが、全てが関東の某県庁所在地のある都市の出来事。
そして、審査機関は後の2件は同じで、某半官半民的な第三セクター。
あらゆる点で業者寄りの審査をする・・というか、目をつぶって、何も言わないのが特徴の審査機関です。

そんなことより、何よりも私が感じたのは、
「こんな土地まで売るか~」
「こんな土地でも買うか~」

そもそもこの県庁所在地の都市周辺は、このような傾斜地が多いです。あるいは東京山手線の内側も、そもそも土地というものがありません。

ところが関東圏にどんどん人口は増える。
しかし、土地がない。
でも、買い手は一杯いる。

えぇ~。土地は『創れば』売れるんじゃ。 今売らなくてどうする。

土地は探すものではなく、『創るものだ』
深い沼地を埋め立て、崖地を探し、土地を創るのは朝飯前。
そして、「構造計算」「審査済み」「強固な」といったキャッチフレーズで安心させる。 土地がないので、行政も硬いことは言わない・・目をつぶる。

さあ・・・。そんな土地に住まわれた人が、大地震や集中豪雨、長雨といった天変地変がなく、つつがなく一生を終えれば結果オーライ。でも、天変地変に遭遇したら・・・

 


関東地区の人口増加はしばらく続くとか。
危険な土地でもまだまだ売れる

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