間抜けな断熱工事

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相変わらず断熱工事の基本を知らずに施工している住宅会社があります。
いつまでこんな事を続けているんだ。「大馬鹿者!!」なんて叫んでも、あるいは関西風に、「このドアホ!!」と叫んでも仕方がないので、タイトルは『間抜けな断熱工事』としました。

さて、相変わらず行われている間抜けな断熱工事とは、次の3つの事柄ですが、あなたの住まいでも行われていないか、チェックしてみましょう。

注釈:関西で「アホ」という言葉は、本当に馬鹿者という意味ではなく、相手に対して愛情が残っていて、もっとしっかりしろよ、といったニュアンスが多分に含まれています。
対して「ドアホ」は、どうしようもない”ど”の付いた「アホ」という意味で、怒り心頭に達したときによく使われます。 いわば救いようのない馬鹿者、という意味です。
ちなみに筆者は関西の人間なので、関東の表現がこのような救いようのない馬鹿なことをしたときの言葉を、「大馬鹿者」と言うのが正しいのかどうかは分かりませんので便宜上使っています。

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浴室回りを断熱しない『間抜けな業者』

昔から行われている『定番の間抜けな断熱工事』の代表格は、浴室回りを断熱しない例です。
どうして断熱をしないのか、という問いの答えがふるっていて、大方は、『浴室回りは湿気るから断熱材を入れない』という呆れるほどの返事が返ってきます。
いまは、例外なくどの住宅もユニットバスを使っています。そのユニットバスはマンションでも使われているものと同じで、そこから湿気が出ることは現実的にありません。もし、ユニットバスから湿気が出ているのなら、コンクリートに四方を囲まれたマンションなどは、室内が湿気だらけになってしまいます。

風呂場は湿気るところ、カビもよく発生しやすい場所であるのは事実ですが、それはユニットバスの内部、つまり、浴室内の話です。それを浴室の外部もそうなっているのだと、変な想像力を働かせ、浴室回りには断熱材を入れても仕方がないから入れないのだ、と思っているようです。
断熱材は建物をぐるりと囲ってこそ効果を発揮するのですが、浴室回りに断熱材が入っていなければ、その壁から冬は冷たい外気がどんどん室内に入っていきます。
そういう理屈も分からないようです。
つまり、『断熱材はなぜ入れるのか』という基本的な事が全く分かっていない業者がいるのです。


下の○印の図は、浴室の断熱区画を表した図です。
断熱材を図Aのように浴室の外側で張るのか、図Bのように室内側で張るのかはどちらも間違いではありませんが、後者の方は外気の中に浴室があるのと同じで、好ましい方法とは言えず、本来は図Aの方法を採用するべきでしょう。

小屋裏収納(及びロフト)を断熱しない『間抜けな業者』

少し前まで、押入や収納の外壁側には断熱材などいらない、という「大間抜けな業者」がいましたが、最近ではそこまでひどい話は聞きません。
しかし、なぜか、小屋裏収納は部屋ではなく、単なる物入れだから断熱など必要ないと未だに思っている建築会社がいます。
これも浴室の外壁面に断熱材を入れないのと同様の『間抜けな断熱工事』の代表例です。
というより、上の浴室回りに断熱材を施工しない例も同じですが、どちらか言うと実際に断熱材を張る大工さんの意識が低いために張ろうとしない。それに輪をかけて断熱に関して意識の低い現場監督がいるから大工に指示も出来ない、といった住宅会社で多く行われています。
そのため、彼らにすれば、『なんでそんなところに断熱材がいるんだよぉ~』と理解出来ないのです。
断熱材は連続して建物を覆うからこそ断熱効果があるのだという断熱の基本が全く分かっていないのですね。
これでは、浴室の例と同様に断熱材の無い小屋裏収納を通じて、熱がどんどん2階の部屋に入り込んでいきます。

呆れる断熱欠損を平気でいる『間抜けな業者』

左の写真は、私がある工事現場で見た現場の写真ですが、窓のない壁には、普通に断熱材を入れているのに、窓の上下はなぜか中途半端に断熱材が入れられていました。
こういう例は極端ですが、断熱材が上の木材まで届いていない例は意外と多いですから、要チェックポイントです。

写真左は、天井よりも上まで伸ばされた断熱材
写真上は、途中で止まった断熱材


隙間なくとは、下の写真右のような事を言うのだと思いますね。
そして、写真左は、雑な施工と言うべきでしょうか。
断熱に対する大工あるいは住宅会社の理解度が現れてくるのが、この作業です。

そして、これらの施工不良はどちらかというと、建売系企業、ローコスト系企業に多く発生する傾向があります。いずれも品質管理にまで目を行き届かせない会社です。

寒冷地に置き換えればすぐに分かるのに・・・・

なぜ、こんな事になるのでしょうか。
最大の理由は、大工にも、現場監督にも実感と想像力がないことなのです。

浴室の外周部に断熱材を張らなければ、あるいは、小屋裏収納の回りに断熱材を張らなければ北海道のような氷点下20℃になるような地域ではどうなるだろうか。と少し極端な仮定してみればすぐに分かることなのですが、そういった想像力も働かず、『断熱材ってどれだけ効果があるのか知らないが、張れといわれているから入れているだけさ・・・・』という態度で工事をしているのでしょう。

さて、氷点下20度で、断熱材を入れていなければどうなるのでしょうか??
その答えは、相当の学識経験がなければ想像出来ないことなのでしょうか??

すでに建っている建物でも、ユニットバスの回りに、断熱材が張られているかどうかは、ユニットバスに付いている天井点検口からのぞけばすぐに分かりますよ。

(注:公庫仕様等でわざわざ外壁側に石膏ボードを張っている場合がありますが、その場合は分かりません。)


間抜けとは考えることをしない人

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