俺たちは無責任さ!:ログハウスの事件事例

ログハウスは、外国のログ材を輸入し、それ専門の大工を抱えるだけで商売が出来、小さな会社が乱立する極めて狭くて特異な業界です。

そして、この事件は、ログの事は詳しくても、工事監理をせず、工事を地元業者任せで放置し、挙げ句の果ては基礎の再施工をおこなわざるをえなかった事件です。

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事件の経緯

当初、布基礎で計画され、工事がスタートしたが、底版のコンクリート打設が終わり、立ち上がりの型枠を組み始めたとき、下の写真のように、鉄筋が型枠にまともにぶつかるという自体が発生しました。

もちろん、これは、鉄筋加工の組み立て精度がいい加減だったのが最大の原因ですが、この部分が建物の外周部であったために、型枠を広げて「かぶり厚」を確保することも出来ない状況だった。そのため立ち上がりの鉄筋を切断し、ケミカルアンカーで適切な場所に追加する方法も検討されたが、結局、念書を取り交わし、布基礎をやめ、べた基礎で再施工することで双方が合意した。

幸い、布基礎の底版の埋め込み深さは地面から240mm以上、べた基礎の場合は、120mm以上で良いため、底版のコンクリートはそのまま残し、鉄筋だけをカットして、その上からべた基礎を再施工した。
その後、工事は順調に推移し、無事完成しています。

ログハウスメーカーのある側面

このケースでは、基礎の施工を地元業者に任せっきりにしており、ログメーカーが現場監理に来ることもなく、下請け業者は、元請け会社が見ていないことを良いことに、極めてずさんな工事を行い、結果として再施工せざるを得ない状況になっています。

ログハウスでは、ログの材料そのものを輸入して現場に搬入し、ログを組み立てできる大工だけを確保しておれば仕事が受注できるという商品の特異性から、図面作成や建築確認は外注。自分たちはログを輸入することが仕事と、営業マンだけしか置かず、本社(あるいは営業所)が監理できない遠隔地まで販売をしているケースが多くあります。その結果、工事は実質的に何も監理されず、下請け任せの施工が横行している場合もあります。

このケースでは、建築主の方が建築主デジカメコースをしていたおかげで、基礎の不良が発覚していますが、別荘地など、ログメーカーの工事監理もなく、建築主も頻繁に見に行けないようなところでは、このような無責任な工事が横行しているやも知れませんね。

ログハウスメーカーの脆弱さを垣間見た側面でした。

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