シュミットハンマー試験

コンクリートは見かけだけでは強さなど全く分かりませんね。
では、すでに基礎が完成しているコンクリートの強度をどうやって測るのか、というと2つの方法があります。

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圧縮強度試験

ひとつは、実際のコンクリートを抜き取って(コア抜きと言います)、実際に圧縮強度試験器にかける。つまり、現場で採取したコンクリートに実際に圧力を加えるもっとも正確な方法です。

コアを抜くときは、事前に鉄筋の有無も調査しますから、誤って鉄筋を破断してしまうことはありません。ただ、正式な試験では3つの試験体の平均値を求めますから、できあがったコンクリートのコア抜きのために、どこか3カ所穴を開ける必要があります。
(穴の直径は、基礎の厚みに左右されますが、概ねも7cm以上必要です)

費用は、コアを抜くために2.3万円必要ですが、圧縮試験は公共の試験所に持ち込めば数千円で済む場合が多いです。簡易的には生コン会社も圧縮試験器を持っていますから、公的お墨付き(客観的試験)が必要なければ生コン会社でやってもらうのも可能です。

シュミットハンマー試験

もう一つが「シュミットハンマー試験」といわれているもので、下の写真のような簡単な道具ですが、すでに完成しているコンクリートの強度を測るいろいろな場面で使われています。

建築会社では持っているところはまずありませんが、生コン会社では持っている場合が多いですし、調査会社(非破壊検査)なら必ず持っているものです。

ちなみに私も仕事柄持っていて、なにかコンクリート強度に関するトラブルがあれば、この道具で計っています。
費用も報告書を作成するかどうかで異なりますが、せいぜい2.3万円から、数万円まででしょう。

シュミットハンマー試験の問題点:4つある換算式

しかし、このシュミットハンマーは、コンクリートからの『反発数』をある計算式に置き換えて強度を計算するのですが、時代とともに計算式も変化しています。

下に4つの計算方法に基づいた換算表がありますが、反発数はその測点で得られる絶対値なので、計算式ごとに強度が異なってしまいます。そういう曖昧さがあるのがシュミットハンマー試験ですから、あくまでも簡易的な試験でしか使えません。
計算式は、昔は材料学会式が標準でしたが、コンクリートの製造過程の品質管理や、セメントそのものの品質向上により、今では建築学会式で計算しても差し支えありません。

たとえば、シュミットハンマーの反発数が30であったとき、材料学会式では20kN/mm2という強度になると計算され、建築学会式では32kN/mm2になると計算されてしまいます。このぐらい曖昧なものですから、絶対的な参考になるわけではありません。

簡易的に、アバウトに基礎強度を確かめたいならシュミットハンマー試験。
厳密な強度を確かめたいなら、3カ所ほど7cm程度の穴が空きますが、コアを抜いた圧縮強度試験が効果的です。
注:基礎に穴を開けると基礎が弱くなると躊躇する人がいますが、3カ所7cm程度の穴が空いても基礎強度には、全く影響ありません。
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