外壁通気工法のルール

広く普及している外壁通気工法でも、その仕組みを知らずに、ただ単に通気用の胴縁を張ればいいと誤解している建築会社も存在していますので、外壁通気工法を行う場合は、次の点をチェックしましょう。

実際に施工するサイディング屋の職人も講習を受けているにもかかわらず、通気工法の基本を無視した工事をしてしまう商人達もいますよ。

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外壁通気工法のチェックポイント

空気の入口と出口の確認

外壁通気工法は、壁の中の空気が流れるようにすることですね。
ということは当然、空気が入る所と空気が出て行くところが無くてはなりません。

空気の入口は、サイディングの最も下面に隙間があけられ、空気が入るようになっているかどうかがポイントです。
そして、空気の出口はサイディングの上で空気を抜くわけですが、一般的には軒裏などに換気口などを設けて、壁内の空気を放出します。

空気の通路の確認

外壁通気工法をよく理解していない会社が行うもっとも多い間違いは、空気の通路を遮断してしまうことです。住宅には必ず窓がありますが、この部分もきれいに空気が流れる経路を設けないと、折角の外壁通気工法が効果を発揮しなくなります。

サイディングには、横張りサイディングと縦張りサイディングの2つの張り方があります。下記の図を参照にチェックしてみましょう。

よくある間違い

これも、外壁通気工法を理解していない場合によくある間違いの一つですが、折角軒裏に換気口を設けても、その前に天井下地材などで空気の経路を遮断してしまう例が見られます。要注意な施工例の一つです。

建物の形態と経路

建物にはいろいろな形態があります。外壁通気工法はそれぞれの場面でどのように空気の経路を考えるかにあります。下記の図のような場合、点線部分のように空気の流れを考えた場合は、それぞれに空気の入口と出口を配置する必要があります。

ただ、真ん中の図のように、外壁が垂直になったまま終わった場合は、この形態に適した専用の換気口は市販されていないため、どうしても外壁通気を行うのであれば、空気を排出できる専用のカバーを考える必要も出てきます。

また、右図のように、単なるバルコニーの手すり壁のような内部結露の可能性のすくない部分にまで外壁通気を行うかどうかは、設計者や建築主の判断の範疇になるでしょうね。

空気を止めるな。 空気が流れる経路を考える

パワーボードなどの通気工法について

外壁通気工法は、サイディングだけに限らず、外断熱工法、合板にモルタル壁などでも可能です。ただ、タイルの外壁やパワーボードなどのALC外壁には、外壁通気工法はあまり採用されていません。

実際には、ALCにも外壁通気工法が可能です。メーカーサイドでも通気工法のことは記載されています。ただ、現実にはALCで通気工法はほとんど採用されていないのが現実です。

ALC等の通気工法は、サイディングと異なり、通気胴縁の入れ方が、ALCの割付を元に割り出し、しかもALCのジョイント部分は、サイディングよりも倍以上の広い幅の胴縁を必要とし、水切りもサイディングのように数多く対応品が出回っているわけではなく、どちらかというと別注製作になってしまいます。 このようなことから、ALCについては通気工法があまり浸透していないのが現実です。

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