住宅性能表示制度:高齢者への配慮(バリアフリー)

住まいのバリアフリーは等級1~5までありますが、この内容を見ていると等級4程度までは杖などを使って歩行できる程度の傷害、最高ランクの等級5で初めて車いすで自由に室内を行き来できる状態を設定しているようにも思います。
また、5段階の細かな段階をつくっているものの本来のバリアフリーを考えるのであれば等級3~5程度でなければほとんど意味を持ちません。

また、人も住まいも歳と共に加齢し、衰えてきます。でも体力の衰えも、発生する傷害の程度も人それぞれです。きっと車いす生活があるだろうと考えるのも間違いです。

そして、バリアフリーなどいう発想が無かった古い住宅でさえ寝たきりの人を抱えたり、杖のある生活を余儀なくされたりします。バリアフリーの根本は傷害のある人が自立した生活を送れることです。そのためには、バリアフリーの設備を設けていれば大丈夫だという考え方こそ、バリアフリーで取ってはならない姿勢なのです。

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等級について

評価ポイント
等級5廊下も広くしたバリアフリー長寿社会対応設計指針の推奨基準程度
等級4階段が緩やかで余裕のあるバリアフリー長寿社会対応設計指針の基本基準程度 バリアフリーの入り口的基準
等級3標準的な仕様階段勾配、手すりの設置、ドアや通路幅の規制 寝室や浴室の大きさの規制度
等級2転倒を防ぐ程度の基本的な配慮階段の勾配、手すりの設置の規制程度
等級1建築基準法と同じ

等級基準の抜粋

高齢者への配慮のポイント

等級3は、ほぼ標準

手すりを追加する程度で、ほとんど等級3レベル

今の建物は、そんなに気にしなくても、通路幅や部屋の大きさという点では標準的に等級3前後のバリアフリー性は備えています。あとは玄関や浴室などに手すりを付けたりする程度の軽微な費用で等級3はクリアできます。

等級4.5は、階段、廊下でプラン上の工夫と余裕が必要

材料などのコストアップはほとんど無い。床面積に余裕が必要。

等級4.5とも、階段は一般的な階段よりも、より緩い階段になっています。
等級5では、廊下の有効幅は85cm必要です。(910モジュールでは出来ない)
また、ドアの有効幅も80cmが求められています。

どちらの場合も、プラン上の工夫やちょっとした余裕が必要となってきます。
等級4.5をするからと言って、直接のコストアップ要因は無いが、間取りにちょっとした余裕が必要になってきます。

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