住宅性能表示制度とは?

平成12年に品確法(住宅品質の確保促進に関する法律)という法律ができました。
この法律は「住まい」の品質を確保し、質の高い住宅建設を促進するための法律で、大きな柱として、建物の構造体や防水に対する10年の保証を建物を建てる建築会社や売り主に義務づけています。これを新築建物の10年保証と言います。

また、建築主が任意に利用する制度として、住まいの品質にランク分けを行い、自分の建物の品質や性能をどのランクで建てるのかの目安をつくり、同時に図面や工事がその品質通りに建てられているかを審査する制度も設けています。
これを「住宅性能表示制度」といい、ハウスメーカーなどで活発に宣伝している、この建物は耐震等級3だ、といった表現がこれに当たります。

しかし、この制度は任意の制度で、利用するかどうかは建築主の任意です。

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何が大切かを考える

自分にとって大切なものとそうでないもの。
等級は、自分が判断するもの。

品質表示の内容は、下に示すように、構造の強さから耐久性、省エネルギー、バリアフリー、防犯性能など、10項目の幅広い範囲にまたがっています。

評価の項目によっては、等級が1~5の5段階もあるものもあります。
従来のように、この法律を守ればよいという一方的なものではなく、その等級(ランク)を、自分で判断しなければなりません。これが、従来の法律と大きく異なる点です。

大手ハウスメーカーでは基本的な要素である耐震性、耐久性、断熱性などを最高ランクの仕様で造り、それを標準仕様としています。

また、別の制度である「長期優良住宅制度」では、耐震性が等級2以外は、耐久性、維持管理の配慮、省エネルギーなどはそれぞれ最高ランクであることが義務付けられています。

しかし、建築条件付や建売住宅、中小規模の住宅会社が建てる注文住宅などの住宅では、まだまだ性能で売るという意識が業者側に少ないため、現在の建物がどの程度の仕様であるかを確かめ、必要であればその仕様を高めることも必要でしょう。

そのため 単に等級が高ければいいというのではなく、本当に自分たちが必要なものなのか、その評価を得るためにかかる工事費用が妥当なのかなど、建築主が勉強しなければならない部分も多くなってくると思います。

検査があるから安心

確認申請とは違う4回の検査があります。

品質表示制度を利用すると、建物を建てる際に必要な建築確認の検査とは別に、工事中に4回の現場検査があります。

  1. 基礎工事の時
  2. 上棟の時
  3. 内装工事の前
  4. 工事完成時

もちろん、申請した品質表示の内容が正しく施工されているかどうかがポイントですから、各建物の申請内容によって、検査される内容も異なってきます。

しかし、従来の中間検査1回だけから考えれば、工事完成時をのぞいて、工事中に3回も現場検査をするため、工事会社も手抜きはできないでしょう。

申請をするため、一定の技術力が必要

技術的な能力が問われるため、業者のレベルを推し量れます。

この制度を利用するためには、申請をしなければなりません。特に耐震性や省エネルギーの申請では、一定以上の技術的な設計能力が必要になっています。
そのため、この制度をすでに利用していたり、利用することを苦にしない業者は、その技術力も高いと考えていいと思います。

反対に「性能表示を利用してもお金の無駄だ」といった逃げ腰の姿勢を持つ業者は、高い技術力があるとは考えられません。こういう意味で、「性能表示制度」を利用するしないに限らず、「性能表示制度」の申請ができるかどうかを問うことで、業者のレベルを推し量る、ちょうど良い踏み絵となります。

 

性能表示制度には10の評価項目がありますが、その全ての項目に等級を決めて申請する必要は無く、自分がしたい項目のみの申請が可能です。
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