仕切り価格と値付け

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今までの話の中で、
・定価には、最初から値引きありき
・設計価格は、メーカーが設計者に値引き後のエンドユーザー価格を示すものと書きましたが、工務店には、定価の載ったカタログと同時に『御社には掛けで下ろします』という耳打ちがなされます。あるいは『もっとまけて~よ』といった打合せがされて、工務店に下ろす価格が決まっていきます。それが仕切価格(仕切り値)ですね。

たとえば、定価30万円の建材があるとすると、『御社には53%で下ろします』となるわけです。
そうすると、定価30万円の建材は、その工務店には159,000円が入ってくる。つまり、159,000円が、その工務店の原価と言うことになります。

さて、そんなことが分かっても仕方ありませんね。
そこから工務店はどうするのか。

見積もりには下のどちらかのような表現で書かれている場合が多いです。

次に多いのが、工務店Aと工務店Bの見積書の書き方です。
ほとんどの人はここで一気一様するのですが、何がどうなっているか分かりますか。

上の工務店の見積もりには、諸経費が書かれていなくて、そのままキッチンの価格が書かれています。定価から考えると66%程度の価格です。3割4分の値引きです。
下の工務店は諸経費を最後に計上しているので、キッチン自体の値引率は大きいですが、実はどちらも工務店の利益は同じです。
計算すると、159,000円の仕入れ価格から、それぞれ39,750円の粗利益を含ませているのです。

もっともこのこと自体は、スーパーで売られている1本150円の大根にも、スーパーの利益30円程度が含まれているのですから、当然のことですね。

そして、もう一つ大事なことは、仕切価格が159,000円であっても、それをどのように値付けするかは工務店次第なのです。

値引率を気にしていたから、定価の工事だけでわざと低く書く、たとえば、17万円程度の見積もりになっているかも知れません。

あるいは「どっちみち、値切られるから。。」と高めの20万円で見積もりを入れているかも知れません。
逆に最後に1割値引きします・・なんで作戦の業者は見積書自体が最初から高いですね。

結局、スーパーのチラシのように、今日はあのスーパーが安い、この商品は最近どこも高くなった・・といった値動きがわかるようなものではありませんから、見積書の値引率を見ただけで、この工務店の値段は高い、安いと見抜くことはなかなか難しいんです。

あなたは、このような『見積書の中に秘められた思惑・ストーリー』を見抜けますか??

私自身は、ある程度は推測出来ますが、その価格が高いか安いかは見抜けません。
つまり、値引率で一喜一憂するな、と言うことなのです。
見積書とは、ある意味で「思惑」の塊なのです。

見積書には「思惑」が隠されている
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