不動産広告の見方

土地、建物を含む不動産の広告には一定のルールがあります。
多くはいろいろなインターネットでも書かれていますので、ここでは大事な部分だけをピックアップしています。

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広告を規制している法律やルール

広告を規制している法律やルールには、下の3つがあります。

宅地建物取引業法(宅建業法)
土地や建物の取引をする業者(宅建業者)を規制した基本的な法律です。 この法律では、造成許可が必要なのに、それを受けていない分譲地の広告や、建物の建築確認を受けていない建売住宅の広告はしてはいけないとされています。
不当景品類および不当表示防止法(景表法)
広告そのものを対象としている法律で、不動産に限らず、あらゆる広告を規制している法律です。
不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)
不動産業界と公正取引委員会が話し合って取り決めた業界の自主ルールです。
各都道府県不動産協会や宅地建物取引業協会に加盟している不動産業者は、このルールを守る必要があります。
特に不動産業者がこのどちらかの業界団体に加盟していないとか、よく分からない団体名が書かれていれば要注意です。

大事なルールのポイント

不動産広告の細部ルールを知っていてもあまり意味はありませんので、ここではどうしても覚えておいた方がよいルールだけを記載しています。
逆に言うと、下のことを破っている広告は違法な広告、危険な業者と言うことになります。

広告を打つにも時期の規制がある

造成許可が必要なのに、それを受けていない分譲地の広告や、建物の建築確認を受けていない新築の分譲住宅(建売住宅)の広告は出せません。
( 注:契約も出来ません。 )

使ってはいけない表現がある

この価格からさらに○割引といった二重価格表示や、完全・完璧、抜群、最高、一級、厳選、格安、掘り出し物、二度と出ない、といった表現は広告には使えません。

新築分譲住宅の建築確認番号は書かなくてはいけない

新築の分譲住宅(建売住宅)の広告を出す場合は、その建物の建築確認番号を記載しておく必要があります。

土地の売買広告で必ず表示していなければならないことがら

  1. 市街化調整区域内にある土地
  2. 2m以上道路に接していない土地
  3. セットバックが必要な土地
  4. 古家がある土地
  5. 宅地として利用出来ない土地
  6. 高圧線下の土地
  7. 30%以上の傾斜地を含む土地
  8. 都市計画道路などの区域ある土地

現地に行って始めて分かった。具体的な商談に入ってから始めて分かった、というのは違法な販売行為です。

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売主、代理、仲介(媒介)の違い 

不動産広告には、必ず「売主」「代理」「媒介又仲介」といった表示がされています。
このことで「売主」が直接売ろうとしている物件なのか、あるいは仲介手数料が必要なのかといった事が分かります。

名称意味仲介手数料の有無
売主売主が直接販売している土地、建物。不要
代理売主と販売代理契約を結んだ不動産会社が販売している土地、建物。契約の効力は直接売主と結んだのと同じです。不要
媒介又は仲介売主と買い手の間にたって、その契約の成立をはかるもの。いわゆる仲介業者の仕事。専門用語として「媒介」という言葉を使うが、一般的には「仲介」と同意語。必要
物件の3%+6万円が上限

これだけは気を付けよう

土地編

土地の売買には、「建築条件付きの土地の販売」と「土地だけの販売」の2つしかありません。(借地権等の取引をのぞきます)
そのため、土地の広告には下の2つの記載しかありません。

■ひも業者付きの土地
広告に「建築条件付き」あるいは「建築条件付宅地」といった言葉が書かれている土地は、建物を売り主又は売り主が指定する業者で建てる必要のある土地です。
買い手が自由に建築会社を選ぶことは出来ません。

■自由に業者が選べる土地
広告に「建築条件付き」や「建築条件付宅地」といったことが書かれていない土地は、土地の売買だけなので自由に建築会社を選ぶことができる土地です。

※ ただし、このような広告なのに、商談にはいると「建物は弊社あるいは、弊社指定の業者でで建てて頂きます。」といった誘導がなされるようであれば、明らかな違法広告、違法な販売ですから、危険な業者と考えた方が良いです。

土地と建物編

土地と建物を含んだ広告には、違法な広告も数多く配布されています。
全ての業者が悪質とは言えませんし、危険とは言えませんが、平気でルールを破る業者はどこか危険な側面を持っていると考えておいた方がよいでしょう。

■分譲住宅の広告
間取りの変えられない分譲住宅(建売住宅)の広告は、必ず建築確認の番号を書く必要があります。書かれている番号や符号は地域によっていろいろ違いますが、右の広告の赤字のように、「建確 」あるいは、「建築確認」「確認番号」といった文字の隣に、何らかの番号らしきものが書かれていれば、それは正しい広告です。

・建築確認の番号が書かれている広告は正しい広告

■建築条件付きの広告
「建築条件付きの宅地」の広告は、上の土地の広告で示したような、土地の価格だけの広告よりも、左のような土地と建物の両方の価格や参考間取りを一緒に乗せて広告している例の方が多いです。この場合、
①建築条件付宅地と言ったことが書かれていること。
②価格は土地だけの価格が書かれており、参考として建物の価格が併記されている。(総額表示だけは不可)
の2点が守られていれば正しい広告です。
■危険な広告
フリープランと書いているということは、間取りが変えられます。それなのに土地と建物の総額表示をした広告ですが、明らかな違法広告です。
なぜなら、宅建業法の「建築確認を受けていない建物は広告出来ない」という規定をやぶり、「建築確認を受けていないのに広告を出している」という法律違反で、比較的多く見られる違法な広告例です。
ルールを守らない業者=危険な業者と考えた方が良いでしょうね。

中古住宅など

中古住宅では、物件自体を見ないと分からない部分が多いですから、広告だけでの優劣や危険度というものはあまりありません。

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ちょこっとCOLUMN

徒歩○分という過大広告

広告では、よく徒歩○分、あるいはバス○分といった表現がされています。
でも広告が基準としているのは、徒歩1分を80mと換算して計算しています。

ところが、1分で80mなのかフンフンと早合点していると大きな間違い。
徒歩80m/分は、時速に直すと4.8km。

これは健脚の人で、かつ、急ぎ足でないとマーク出来ない早さです。また、信号で止まる、といったことは一切無視した距離÷80m/分ですから、徒歩10分とか、徒歩15分と書かれていても、実際にはもっと多くの時間がかかります。徒歩10分・・近い!!・・なんて広告だけで判断しないことですね。

また、バス○分も、それはバスだけの話。バスが10分おきに来るのなら良いのですが、30分に一本では用をなしません。

やはり、物件は実際に歩き、調べるのが一番ですよ。
これこそ過大広告の見本のような基準だと思ってしまうのですが、ルールなので仕方ありませんね。

下記のページでも、不動産取引の注意点を紹介しています。

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