異邦人とのつきあい方。。。

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世間は広いぞ
あんたの常識は通用しない
大冒険時代を生きている感覚を持て

・人は十人十色
十人十色という言葉があるように、人の性格は千差万別です。そして、人と人との相性やつきあい方も血液型や星座をはじめとして、巷にはいろいろな相性を紐解いた本であったり、こんな上司とうまくつきあう方法といったハウツーものなどが出回り、人と人の接し方、相性はいつの時代も、どんな場面でも重大な問題のひとつですし、物事が円滑に行くか行かないかの分かれ目となる場合もあります。

住宅では、建築主と営業マンの相性、あるいは設計者や現場監督との相性なども問題になる場合がありますね。

・会社も十人十色
そして、会社もそういういろいろなタイプの人間が集まった組織であることに違いはありませんが、大きな会社に行くほど入社試験で一定のふるいにかけられ、さらに社員教員で均質化を計り、普段の職場でもいつも社員教員を計っている会社がある反面、社長の鶴の一声で社員が右往左往する小さな会社も数多く存在しています。

大会社であれば「社風」という言葉がありますが、全国に数万社いると言われている不動産、住宅業界では、逆に言えば会社の数だけ<ひととなり>といってもいいような会社の『癖(よいように言えば社風、少し悪く言えば体質)』があるのです。

そして、住宅は自動車、家電、海外旅行といったモノを買うように簡単に購入出来るモノではなく、高額品を買うのとは違う一桁も二桁も手間も暇もかかる「モノ」ですね。

こんなご相談をいただきました。

『とっても土地が気に入っているのですが、土地を扱っている業者が丼勘定のような雰囲気で話を進め、図面を書いてくれと言っても、よく打合せから抜け落ちたものを持ってきます。見積書も概算ではじいたもので契約しようと言ってきます。悪気はないのですが、すごくルーズなんです。このまま進めても工事が大丈夫なのか、とかいろいろ心配が絶えません』

というご相談をいただきました。

『悪気はないが、ルーズ』・・まさに性格がよく現れた言葉です。

違う場面では建物を売りたいだけの不動産業者が、図面もおざなり、説明もおざなりで「契約しよう」の一点張りで攻めてくるといった事があります。

あるいは何回打合せをしても、何か修正を忘れている図面しか持ってこない設計者、営業マンという時もあります。

はたまた、自然指向など作っているものは良いのに、打合せがルーズなんです、社長の個人的色彩が強く、建物は気に入っているのですが丼感情的考え方で困っています。というのもよく聞く話です。

いずれもある程度の数の社員がいる会社であれば、「担当者を変えてくれ」というのも解決策の一つですが、それも契約前ではなかなか言えるものでもありませんし、小さな会社ではそういうことも言えません。代わりの人間なんていませんから。。

このように、住宅会社の社員、特に小さな会社になればなるほど、その会社の「癖」もその社員の「癖」も逆に言えば人間らしく表面に現れてきます

会社なんだから、個性がない。なんて大間違いで、会社の個性も人と同様に十人十色です。

・リスクの回避
でも、この土地が良い。あるいはこの会社の作ったものが気に入っている。と一目惚れしてしまうと、こんな困った性格をもった会社とどう付き合っていけばいいのか、と悩んでしまいますね。あるいは、このような相手とどう対処していけばいいのだろう、と考え込んでしまいます。

つまり、自分が今まで付き合ってきた相手とは、全く違う『異邦人』を相手にしているのです。

そんなときはこのように考えましょう。

相手はどうがんばっても変わらない。 それなら、自分が自分自身のリスクを低くできるように行動するしかない』ということなのです。

35才を超えた人間の性格は変わりません。
それは例外なく、ほとんどの人がそうです。
そう向き合って始めて、つまり、相手は変わらない、と覚悟を決めて始めて自分が取るべき行動が見えてくる場合があります。

ちゃらんぽらんな相手には、こちらが議事録を作るなり、自分がリスクを減らす方法で行動し、相手に多くを求めないことです。相手に自分のルールを当てはめよう、あるいは自分の今までのルールでやってもらいたい、と思うからすれ違いとストレスが溜まってくるのです。

あなたを含めて、多くの人間は、そうそう根底の気質が変わることはありません。もちろん、相手もそう簡単には変わりません。

つまり、

・今まで付き合ったことのない「異民族」の持っている品物がどうしても欲しい。
・どうも会話が成立しない。今までの自分が知っている商習慣や、自分が知っている世界の社会的ルールもご存じないようだ。

まるで大航海時代の話のようですが・・・・だったら、こちらの商習慣や社会的ルールを無理矢理当てはめるのではなく、臨機応変、相手に合わせてリスクを低減させる手段を考えよう。と言うことですね。(注:かといって相手のルールにあわせる、といっているのではありませんよ。勘違いしないように。)

だって早々相手は変わりませんよ。
もちろん、こんなルールでして欲しいのだ。。とねばり強く言い続けることは大事なことですし、しなければならないことです。

でも、世界は広い。こんなヤツもいたのか。そんな変な御仁に遭遇することも住宅業界にはあるでしょう。いえいえ。結構そういう御仁も多いのがこの業界。悪い表現で言えば、「一癖も二癖もある御仁」もまだまだしぶとく生き残っています。

さて、相手の品物を自分のリスクを低くして買い取るのはどんな方法だ!!・・とまるで大航海時代の開拓者だと叫びたくなるような心境かも知れませんが、相手を冷静に観察し、合理的に沈着冷静にリスクの目をつみ取るのは、当事者たるあなたしかいないのです。

異邦人にあったなら、異邦人だと割り切った上でつきあい方を見直してみよう!

■補足:時代とコミュニケーション能力
このような現象は階層化されつつある現代社会が生み出したものです。戦後の焼け跡から戦後復興、さらに高度成長の道を歩んできた日本は、1990年代頃まで、いろいろな人がだんご状態になりながら社会を作っていました。そのために、いろいろなタイプの人と付き合うことを余儀なくされたのです。そして、そのぶつかり合いが様々な文化や社会を作り出してきました。
しかし、それが一段落し、ある階層の人達は、その階層の人達としか付き合わなくてもよい時代になってくると、自分たちの階層で経験した人間以外のつきあい方を経験してきませんでした。

簡単な事例を出すと、偏差値で優秀な学業を持った子は、そういう学力だけの子供達を集めた学校に入り、社会に出てもそういう学力で無ければ入社出来ない会社に勤めます。そこでは、たとえば、打合せというものはこうするモノだという暗黙のルールがしっかりと出来上がっています。しかしそのような社会は一つの階層を生み出し、その階層の中でのつきあい方は学んでいても、全く違う階層の人達とのつきあい方を学ぶ機会は非常に少なくなっています。

その結果、今まで歩んできたルールとは全く違うルールで歩んできた人と交渉に入ったときに、違う価値観を認知出来ないし、その対処方法も学習していないから見つけ出せない。という結果になるのです。

むしろ、その違いや対処方法を見つけていたも、相手を自分たちと同じ土俵(慣習やルール)に乗せられないのか、と悩むのが原因なのです。
非常に平たい言葉で言えば、
「今までの人生で付き合ってきたことのない相手がいる」
「自分が正しいと思っていたルールから逸脱したところで生きている人がいる」
という事実を認識し、そんな世界(人)があったのだということを知ることが問題解決の第一歩なのです。

そして、このようなことをお話ししたとき、『やはり、そういう方法しかありませんか』と異口同音に返ってきます。感づいているのですね。ご自身は。。
ただ、出来れば自分が知っている楽なルールでやりたいと思っていただけの場合がほとんどなのです。

諦めましょう。あなたのして欲しいルールを相手に100%求めるのは無理ですから。。。

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